ウネ島

南の船着きから一時間登ると、湿った海風が霧になる茶畑の坂へ。摘み手の籠をのぞいていた小さなもぐは、また茶の木の下へ戻っていきます。さらに上の峠の池から流れる水は、集落の水車と醸造小屋へ続いています。
アシロの米や豆、セラの塩、山から来た水が、味噌や漬物になります。カヤへ届いた小さなみそ壺は、空になると洗われ、次の荷に戻されます。
茶の木の間の草は土を押さえ、葉を食べる虫の居場所にもなります。池には春にカエルが増え、夏はそれを追う水辺のもぐが岸を歩きます。
冬に霧が薄くなり、木々の葉が落ちると、古い茶畑の石段が見えます。蒸す小屋が村へ集まったあと、遠い上の畑を休ませ、近い斜面へ植え直した名残です。
舟旅の覚え書き
カヤから南の船着きへは約38km、帆走7〜9時間。船着きから茶畑へ一時間、峠の池へはさらに四十分ほどです。