短編
六つの島を舞台にした八篇の短編。


青い欠片の行き先
水くみの数を書いていた青い欠片が消えた。ミナの捜し物は、果物の舟の小さな交換場へつながっていく。
アシロ島 · 約3分
風待ちの、七つめの椀
帰るはずの舟が出ない。ニカの港で不機嫌になったミナを待っていたのは、行き先の違う人たちが囲む鍋だった。
ニカ島 · 約3分
草の背丈の地図
ウネで見つけた、行き止まりの石段。地図に道を描きたいミナは、草の下に別の通り道があることに気づく。
ウネ島 · 約3分
三つ、四つ、冬の石
いつも三つだった、ごまの皿の石。数が増えた夜、ミナは「ありがとう」の意味を急いで決めたくなる。
アシロ島 · 約3分
ニカから、折り目のある手紙
平焼き屋の娘ナリから届いた一枚。失敗した丸、夜の市場、まだ言えていない願いが、細かな字でぎっしり。
ニカ島 · 約4分
削らなかった匙
同じ形の匙を七本作るはずが、一本だけ木の節にぶつかった。若い木工見習いリクの、初めて名前を残す仕事。
トヌ島 · 約3分
雨の日、塩は眠る
母の塩作りを描くために早起きしたヒナ。雨で白紙になった一日は、使われなくなった塩槽のほとりで別の色を得る。
セラ島 · 約3分
眠らない窓に、白い布
ニカから移ってきた仕立て屋の親子。昼に誰も来ない小さな店で、ユネは夜の島の開店時刻を見つける。
ヨルバ島 · 約3分