アシロの豆飯
米に畑の豆を混ぜて炊く、カヤの朝の定番。収穫の頃は青い豆、それ以外は戻した乾燥豆を使います。人の器には炒りごまや刻んだ葉。幼体の分は豆を崩し、飯をほぐして。ミナが初めて一人で取り分けを任された料理です。
料理の詳細口合わせの習慣、六島の郷土料理、器と道具。


米に畑の豆を混ぜて炊く、カヤの朝の定番。収穫の頃は青い豆、それ以外は戻した乾燥豆を使います。人の器には炒りごまや刻んだ葉。幼体の分は豆を崩し、飯をほぐして。ミナが初めて一人で取り分けを任された料理です。
料理の詳細焼き目をつけた根菜と干しきのこの汁。木の仕事の合間に切る根菜は形がまちまち。香ばしい具を噛む皿と、崩して汁になじませた皿が並びます。カヤでも雨の日にトヌの干しきのこを開けると、この汁になることが多いのです。
料理の詳細白身魚と薄切りの根菜を深い皿に重ね、湯気で蒸します。骨から外した身には蒸し汁を添え、人の分には塩と柑橘を。浜では大皿から取り分けます。潮で食事の時刻がずれても、鍋のそばには誰かの器が残ります。
料理の詳細麦の生地を薄く広げ、鉄板で焼く丸いパン。煮豆や野菜を載せ、折って包めば片手で食べられます。幼いもぐには小さく裂いて具と別々に。店ごとに縁の厚さが違い、港へ通う人には好みの焼き手がいます。
料理の詳細柔らかな白豆と根菜を、淡い色の豆みそでまとめた煮物。壺ごとに香りが違うため、同じ家でも季節で味が少し動きます。人々は仕込みの年と一緒にその味を覚えています。カヤでは手元の豆で作り、舟を待つあいだも作り方は途切れません。
料理の詳細炊いた麦へ焼き芋を崩し入れた、淡い黄色の粥。日暮れに起き出すもぐと、夜の仕事へ出る人が同じ鍋を囲みます。カヤでは朝に食べることも。「宵」は食べる時刻の決まりではなく、ヨルバの食卓を思い出す名です。
料理の詳細魚が届く日は米を多めに炊き、栗が届く日は豆の鍋を一つ空けます。風で舟が遅れれば、棚の干し物と畑のものを使います。届かなかった料理の代わりにも、それぞれの家で覚えている一皿があります。
食べ終わった汁の跡や、残った根菜の角には、その日の食べ方が残ります。トキはそれを見て次の硬さを考え、サヨはこすれた縁から次の器の厚さを考えます。料理を覚えることと、相手を覚えることは、カヤでは近い意味を持ちます。
村を出たもぐの器を、ひと冬はしまっておく家が多くあります。戻るものも、春に別の幼体を連れてくるものも、戻らないものも。欠けた器を花鉢にする家も、何年も磨く家もあります。