もぐ日和世界の案内帖

はじめに

ナロ諸島の地理と、人ともぐの関係。

はじめに

ナロ諸島は六つの島と、その間の小さな岩礁からなります。中央のアシロでは麦と豆を作り、西のトヌからは木材、南のセラからは塩が届きます。東のニカの港に荷が集まり、北のウネでは茶を摘み、穀物を醸します。北東のヨルバは黒い岩の多い島で、夕暮れから活動する生き物が多く暮らしています。

島を渡るには帆と櫂の舟を使います。近い港へ半日、遠い浜へは一日。風が変われば、帰りが数日延びることもあります。セラの釜に使う薪にはトヌの端材が交じり、ウネで仕込む味噌にはアシロの豆とセラの塩が入ります。

人の集落の外には、もぐの巣や採食の道、水場が続きます。人の道と重なる場所には、爪で磨かれた柵や、高いところに残る雨宿りの跡があります。村で食事を分けるもぐも、季節にだけ訪れるもぐも、一度も人の料理を食べずに育つもぐもいます。

ミナのかまどと、浜へ続く坂道

ミナとカヤ村

十歳のミナが用意するのは、幼いもぐの一食です。器を作る母サヨ、舟を直す父オル、火のそばのトキ、庇で休むガロ。

ミナの紹介

人ともぐの関係

声としぐさ

もぐは人のような会話をしません。耳の向き、鼻先、置かれた石。よく知る相手には分かることも、初めての人には分からない。

口合わせ

柔らかさ、大きさ、水分、温度。同じ鍋から分けたものを、食べる相手に合わせます。料理を覚えることは、相手の食べ方を覚えることでもあります。

村と野生

人の料理を食べず、野で大きくなるもぐもたくさんいます。村へ来る日も、来ない日もある。食事と手助けのあいだに、その都度の勘定はありません。

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