セラ島

低い島の岸には、ヨシ原とアマモの浅瀬が続きます。満ち潮には小魚が草の間へ入り、潮が引けば、もぐがカニや貝を探しに出てきます。南西の固い岸には塩場があり、晴れが続くと浅い槽で海水を濃くしてから釜へ運びます。
潮が低いときも舟を寄せられるのは、北岸の細い深み。そこから東へ三十分で干潟へ出ます。泥に残る足跡のまわりの小穴は、隠れた虫を掘り出した跡です。
雨の多い初夏には塩作りを休み、釜や槽の手入れ、貝の加工をします。塩、干した魚、海藻は、島の外の食卓へ届きます。
井戸が渇くと水が塩辛くなるため、大きな雨水甕と北岸の湧き水が暮らしを支えます。古い塩槽も今は雨水のたまる草地となり、乾いた夏には小型のもぐが身を冷やします。
舟旅の覚え書き
カヤから北の船着きへは約34km、帆走6〜8時間。塩場は取水口が強い波で埋まったあと、西へ移されました。