ミナ
赤茶の布で前髪を押さえ、海松色の上着に短い生成りの前掛け。ポケットは拾った石で重くなりがちです。下のかまどで幼いもぐの一食を用意します。食べ残したら、まず器の位置を変えてみる子。ガロがまめの寝床へ顔を入れずに待つのを見て、手を出す前に待つことを覚えました。旅の帰りの袋には、違う色の砂や殻が増えています。

ミナは、知らないものへすぐに触れるより、同じ場所に腰を下ろして見ている子です。けれど、嬉しいときは待ちきれずに一歩近づいてしまいます。まめが皿には寄っても手を避けることを、今は料理の失敗とは思わなくなりました。
水を何杯くんだかは忘れがち。割れた器の裏に炭で印をつけて数えていたら、こむぎが欠片を集めてしまいました。今の数え場所は戸柱です。器の印、柱の印、寝床のそばの背丈の傷。家にはミナの覚え方があちこち残っています。
旅へ持っていくのは、紐で蓋を結んだ小鉢、布、水筒、炭を包んだ紙、小さな匙。帰りには違う色の砂や殻が袋を重くします。ニカの市場を描いた日は、魚よりも、その下の低い台に並んだ器が紙の大半を占めていました。
字と数、潮の読み方を習う日は、上のかまどのそばの小屋へ。紙は貴重なので、木の板に炭で書いて拭きます。もぐを描くと顔ばかり大きくなり、足を足す場所がなくなることも。描き終わるまで、モデルのこむぎが待っているとは限りません。
日々の習慣
ポケットの石は、帰ってから一つずつ見直します。いちばんきれいなものは、サヨの作業台のそばの浅い箱へ。